関係者に聞くと「ゴトは減っているのではく、気付いていないだけ」という。
日工組からメーカー正規品のゴト対策部品が発表されているが、それ以外のメーカーの様々な機種でゴト行為を行う際に付く傷が確認されている。実際に被害が発生しているとの情報はないものの、ゴト行為が可能であるかを試験するために付いた傷か、ピアノ線ゴトやドツキゴトを試したものの道具を挿入できずに付いた傷かは不明だ。このような傷は、ゴト師が今後、長期的にゴト行為を見つからずに行うための下準備と考えるべきで、十分に警戒してほしい。
こうした傷を付ける行動は、以前のパチスロ機で行われた狡猾なグループの行動パターンによく似ている。傷が確認された店舗は以前、パチスロ機で傷が複数確認された店舗と合致することが多い。今後数カ月間は、ゴト行為をほとんど行わず、ゴト行為の下準備を行いながら、アルバイトばかりで正規従業員がほとんどのいない店舗や時間帯を調べ出しているようだ。ピアノ線ゴトは店舗が終わったと思う頃に再開するのだが、複数の店舗で少額 (1 日1〜2 万円程度)の儲けが出る程度の行為を行うため、店舗には常連と認識されるほどの状態となることで監視対象から外れることを狙っている。結果的に機種別の利益確保のために釘が締まり、一般のプレーヤーに影響が出て、店舗稼働が下がる原因になる。
こうした常駐型ゴト師の被害は、多くの場合、店舗側にゴト被害の認識や意識がないことが問題だ。認識や意識が欠如していることは確認や調査をしないことに繋がり、ゴト被害がないことにされてしまっている。確認方法はそれほど難しくなく、ある時点で発見された傷の写真を記録しておき、その後新たに見つかった傷とを比較することだ。新たな傷が増えていることが確認できた際には、ゴト師が入店していることを自覚し、新たに警戒して監視を強化してもらうしかない。このタイプのゴト師は、手口や器具をより進化させて絶対に発見されないことを目標にしている。そのため、店舗側が少しでも警戒する行動が見えると、その店舗では当該台が店内移動されるまで何もしない。なお、既にデータ異常がある場合には、攻略法かゴト行為によるものかは分からないものの、まずは遊技機に傷が付いているかを確認してもらいたい。
これから導入台数が増えてくるスマスロについては、これまでのようなホッパーゴトやセレクターゴトやメダルの持ち込み等はなくなるものの、各種データを偽装するゴト行為が生まれる懸念がある。ゴト師グループが、遊技機とユニットとのデータ通信の仕組みを分析し、時間をかけてゴト部品を開発することも考えられる。情報管理センターがあってデータを監視しているから大丈夫という声が主流だが、データ自体を巧妙に偽装されてしまっては監視することが難しくなる。部品の取り付けは中古機移動や倉庫内、または閉店後の取り付けが予想される。部品が開発され、取り付けられるのは数年後と見られるものの、しっかりとした対応が求められる。
遊技通信2023年3月17日