“2015年の10月末まで”、“2016年の年末まで”。
このキーワードにピン!ときた人は、パチンコの中毒者か業界の歴史好きぐらいでしょうか?(笑)
その正解は、MAX機に関連する規制云々の話になりますが、今回はそれを振り返るわけではありません。
今や販売されるパチンコ機種の大半がラッキートリガー(LT)を搭載し、LT機にはさまざまなスペックが登場しています。
遊技機のスペックは、“一般的な”ファンからすると「自らの懐具合と見返りを考慮して(搭載するコンテンツや人気度合いなども考えつつ)スペックも選択肢に入れながら、打つ機械を選ぶ」ものだと考えています。
それは今に始まったことでなく、旧MAXタイプにしても登場当初は、なかなか当たらないけど「凄い!」(当たってからが凄い、では無いです ^^; )と思うファンが多く、「当たったけどほとんど玉が出ない!」なんて機種もザラにありました。
そして時代が流れ、いわゆる「ハイミドル」タイプが旧MAXタイプの代替え役となってハイミドル機が主流になっていき、規則改正によって16ラウンドが廃止。それからいろいろあって現在に至ります。
お気づきの方も多いと思いますが、LT機では大当り確率を「図柄揃い確率」と呼んでいて、液晶上で図柄が揃う確率を初当り確率としてスペックをファンに告知している機種が一定数存在します。そしてファンも、この図柄揃い確率を選択肢に加えて、自分が遊ぶ遊技機を選んでいます。
そんなファンの動向ですが、我々が実施しているファンアンケートでも特徴的な傾向がみられています。
我々のファンアンケートは前回が2024年8月、今回は11月に実施しました。次のページのグラフをご覧ください。
回答された方の主体は、やはりライトミドル帯を遊技するファンが多いのですが、直近のアンケートではその支持率に変化がみられます。
実際、ライトミドル支持層が減った(ハイ、ミドルも減っている)のですが、逆にこれまでは3番手、5番手だったMAXやハイミドルの支持層が伸びています。
「支持=遊技意向」とも考えられますが、次のアンケート回答からファンの遊技動向が変化していることがうかがえます。
・大当り確率(図柄揃い確率)が1/380以上のMAXタイプに魅力的な遊技機が数多く登場
・勝ち体験だけでなく、勝ち金額や勝率を重視する傾向が強くなっている
・隙間時間にワンチャンで勝てそうなスペックが出てきた(これから出てくるも含む)では、ファンは実際のところどのような考えを持って遊技していたのか? について、いくつか回答を紹介します。
① どうせ2、3万使って打つならMAX!って気になってしまうユーザー心理。リターンに期待してしまうから。やっぱ今はMAXの時代じゃないんかなーと。スロットのキツいやつ然り。か●●●サ●●●とか打ってみないと分からん。-20K(50代男性)
② ホールスタッフをしています。早番専任なのですが、仕事が終われば仕事だぜって感覚でパチンコを打ちます。パチスロは目押しが出来ないので打ちません。打つのは1パチですが、継続率が高くて大当りの出玉が多い機種を最近は選んでいます。MAXって言葉は久しぶりに聞いた気がします(笑)(30代女性)
③ 主婦です。パチンコだけでなく、競艇にもハマっています。競艇場は遠いし一人で行けないのでパチンコ屋に行っています。性格なのか一発逆転できる台が好きなのと短時間しか打てないので上手くいけば出そうな台を打ちます。確率とかあまり分かりませんが、バトルする機種とかが好きです。(30代女性)
④ サイコロとか宝くじとか確率云々よりも、当りとハズレしかない訳なので、ぶっちゃけ言えば甘デジとか関係なく期待値が高い機種を自分で考えて打つのが多い。結果的に399とかの台になるけど出玉がチョロチョロするよりガッツリ出る台が好き。(20代男性)以上、ファンの意見を書き出しましたが、私に意見をくれた10名から4名がMAXスペック寄りの意見を出しています。他はハイミドルが1名、ライトミドルが3名、甘デジが2名でした。
今回はファンアンケートの結果とファン目線、ファンの意見を交えた考察をしてみました。
ファンは我々を支える貴重な人たちです。私自身もファンですが、パチンコ・パチスロが好きなので働いていますし、打っています。
ファンの意見は大事にしたいですよね!
【筆者紹介】北瀬紳一郎(きたせ・しんいちろう)
株式会社ピーナレッジマネジメント代表取締役社長。2022年に会社設立し、遊技機の稼働貢献予測や各種シミュレーションを提供する。前職のシステムメーカーでは、現場のサービスマンから営業所長、商品の開発企画などに携わり、全国平均データを使ったサービスをベースにした講演なども多数出演した。現在は余暇進の遊技機研究委員会の副委員長も務め、業務の合間に時間があればホールで遊技する生粋のパチンコファン。趣味は、遊技機の機種評価はもちろん、公営競技(中央競馬)の予想は趣味の域を超えたレベル。お酒も大好きで、ツイッターのフォロワー数は現在1万人超。集客に役立つSNSの活用も常に考えている。
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記事を読まれているホールの皆様へ。
色々な会社が共同で行っているPPS「業界のPredict Secret member」に参加してみませんか?
PPSとは、毎月発売される遊技機の販売動向を皆様からのアンケートから推測し、噂話や営業マンの話だけでなく全国の動向を考慮しつつ、遊技機の販売傾向を知るサービスです。ホールの方の費用負担はゼロです。
毎月1回、アンケートにお答え下されば、ファンの意見も記載したレポートをお渡しします。アンケートには招待制のオープンチャットから入会し、そこから応えて頂く形となります。
自社の展開する地域だけでなく、全国の動向を無料で知るサービスですので、機種選定の一環としてお使い頂ければ幸いです。
詳しい内容に関しては、以下の会社までお問合せを下されば幸いです(各社共にホームページ等を持っています)。
株式会社ライム
遊技通信2024年12月2日
株式会社チャンスメイト
株式会社ピーナレッジマネジメント 北瀬(筆者)